2006年6月

 仕事編
 生活編


   宮仕え12ヶ月目。はじめとは携わっている仕事の内容が変わっている。立ち位置
も微妙に変化した。どんな環境、どんな状況に於いても任された職責を全うしようという
思いにはいささかも変わりがないが、周囲の評価もまた微妙に変化してきているのを
感じた1ヶ月だ。

 周囲だけじゃない。じぶん自身も能力の足りなさと限界を思い知らされた1ヶ月だっ
た。でも、とりあえずここでみずから退却ということはない。退場を命ぜられたわけでも
ない。前進しようという思いにはいささかも変わりはない。

 年の功といえばそうなのかもしれないし、単に鈍感なだけかもしれないが、激しく落ち
こむことがない。叱責をうけることに近い状態となっても眠れなかったりすることはない
し、翌朝に持ち越したりすることなど全くない。

 端からみたら、相当に浮き沈みしているような1ヶ月に映ったかもしれないけど、当の
本人はそこまで波にもまれているという意識はないのだ。だからまだ「だいじょうぶで
す」っていえるのかなぁ。

 昨年の6月25日、梅雨の晴れ間で燦々と陽差しが注ぐ土曜日に東京へ生活の拠点
を移した。真夏を思わせる暑さで荷物を運び込む業者さんはおしなべて汗だくで気の
毒だったが、雨じゃなくてよかったと思ったことを覚えている。冷蔵庫がまだ届いていな
かったので駅前まで歩いてマクドナルドに行ったこともまだ鮮明な記憶だ。そういえば
氷川台のマクドにはあの日以来入ったことがない。

 この1年、早かったといえば早かった。長かったといえば長かったともいえる。51年の
人生の中で濃密さでいえばまちがいなく1,2をあらそうはずだ。

 

◆仕事編

■6月1日

 昨日、一旦先送りを決めたもののほんとうに次のタイミングでそれが立ち上がるのか
と気を揉む一日。夜の帳が降りた頃に届いた知らせは待っていた吉報ではなかった。
すでに事情がわかる人が帰ってしまっていたこともあって、今夜は打開策を確定できな
い。仕切り直しの一時延期ではなく、白紙撤回も視野に入れる必要が出てきた。個人
的にはそれがありがたかったりもするが、ますます影響範囲の大きい話となるのでわ
たしごときの決断の範疇ではなくなる。本日は23時25分退社。有楽町線最終で帰宅。

■6月5日

 テンションが高くなっていたのか、6時半にスッキリと目覚める。東の窓からは朝日が
注ぎ込んでいる。きょうはスッキリとした一日になるかと期待したが、日中は雲も多くな
って、一時はにわか雨も降るかもしれないという灰色の空にもなった。洗濯物をベラン
ダに干してきたので雨が降らないでくれたのが幸い。

 さて、「仕切り直し」と決めたプロジェクトだが、社内からも情報不足からくる不協和音
が聞こえてきた。言い訳になることを承知で言うのなら、あいかわらず相手先の動きが
もうひとつなので、伝えきれないでいた部分もあったのだ。そのくせ、仮に設定したリリ
ースタイミングでGOとなったときに備えて、動いておかなくてはいけない事情もあった。

 なので、「状況は見えないのに作業や結果を急ぎ求められる」ということになってしま
い、仕切り役としてはまたしても失敗と言わざるを得ないことに。このままではいけない
と、夜になって関係者が一堂に会すミーティングを入れる。上長が事業部としての方向
はこうだと明確に語り、万全の体制でリリースするために再リスケはするものの基本的
に「GOだ」という結論がでる。結局、わたしはその場も仕切れずじまい。

 そんなわたしに「しきり役はこのままでいいんですか」と、真正面に座っていたKさん
からダメ出し。当然のことながら目は笑っていなかった。じぶんで考え、じぶんで行動
し、結果についてはじぶんで責任をとるという自営業での生活が長く、同業者の団体で
の仕事もダメ出しはされても、叱責されることはなかったから、ここまで明確に否定され
ることはあまり経験にない。

 まぁ自らの招いた結果だし、しかたないことなので不思議なくらい落ち込みはしなか
ったし、ショックも感じなかった。もしその場の空気が「しきり役更迭やむなし」となれ
ば、素直に身を退くつもりでいたが、もういちど失地回復のチャンスを与えてもらった。
事業部内で今回のプロジェクトを担当したのは、歳はとっていてもWebプロデュースの
経験のないわたしと、ことし2年目の若いI嬢。幾多の経験を積んできた他のメンバーと
同じ言語でプロジェクトを語るのは厳しかったからしかたないよねと温情判決を受けた
というところか。

 もっと早い段階から相談を受けていればアドバイスもできたのにという声も聴いた。べ
つにプライドが邪魔をして聴きにいけなかったわけじゃない。何度も書いてきたことだけ
ど頭を下げることは厭わない。要はわたし自身が全体像を把握できていなかったという
こと。聴きたくても何をどう聴いたらいいかわからなかったというのも事実。くわえて1か
ら10まで語らずもみんなわかってくれているはずという思いこみからくる説明不足もわ
たしの至らなさだ。

 23時15分退社。0時すぎのスーパーで豚肉やサワラの切り身などを購入。その豚肉
でピカタを作る。べつに「やけ食い」ではない。

■6月6日

 朝は青空がひろがっていた。めざましテレビの星占いでは「強力な助っ人が登場」と
のこと。駅へ向かう道を気分よく歩いていく。のどの奥がちょっと変だなぁと感じていた
のだが、午後のグループミーティングでいろいろ伝えなくちゃいけないという時間になっ
て声が嗄れてきている。なんだろう、風邪でもないようだし。

 さて、厳しい選択を迫られている案件、本日は「前門の虎後門の狼」という感じ。たし
かに強力な助っ人ではあるのだけど、それは「このままじゃ大きなリスクを負うことにな
るかも」と拙速を避けるようにと働きかけてくれる虎たちと、「ただガンバレだけじゃね」
という狼たち。どちらも100%ポジティブというわけではないが、的を射ていないわけで
はない。

 助っ人(?)がたくさん現れて、逆に身動きがとりにくくなった感がある。はてさてどう
舵を切ったものか。

■6月7日

 お昼過ぎにことし2年目のHくんと六本木ヒルズに本社を構える化粧品メーカーさんま
で往訪。古くからの加盟店に支えられ、その加盟店がキッチリとつかんだ愛用者に支
えられていると思われるその老舗の会社の担当者は、いろいろやりたいだけど、どうし
ても古くからの加盟店の手前、思い切ったことができないというジレンマに苛まされて
いる様子。

 かつてその世界にどっぷりだったわたしは、この担当者の悩みがよくわかる。だから
相手の懐に飛び込んで本音を引き出すのは比較的簡単。同行のHくんからはすごく勉
強になったと感謝されたが、これは経験のなせるワザ。このフィールドならまだまだ伝
えてあげられることはある。

 ことしの新人くんから、化粧品専門店の現状や今後に向けての課題は何かという話
を聴かせてほしいといわれていた。夕方の1時間強、彼の素朴な質問に答えながら、
久々に「語ったぞ!」という気分。1年前まで現役だったわけなので、こちらもまだまだ
伝えられることはいっぱいある。

 ここにわたしの立ち位置があるはずだったのだけど・・・と愚痴ってもしかたない。今
の仕事が苦痛なわけでもないし、やりがいも感じていることだし。ただ、仕切りの失敗
からくるボタンの掛け違いのようなリスクは、右から埋めに向かえば左に穴が開くという
ような状態に陥っているようでもある。

■6月8日

 本日から男性社員がひとり加わった。長男と2つ違いの「息子世代」だけど、学生時
代から知り合いのベンチャーの立ち上げに関わっていたりでプロジェクトのマネジメント
には長けているようだし、会計まわりにも明るい。まずは、今のうちの事業部の課題を
うまく解決するために動いてくれることに。

 お昼をともに摂りながら3時間近く、事業部の概要を説明する。話すうちにじぶんでも
課題が整理できてくる感じ。パラレルに走っている案件をこなすことに汲々としているわ
たしなので、頼もしい助っ人登場というところだが、うかうかしているとじぶんの居場所
がなくなるかもしれないという漠然とした思いも見え隠れする。

■6月9日

目を覚ますと雨が窓を叩いている。まだ起きだすには30分近く早い6時20分だった。も
ういちど肌掛け布団をかけ直して眠りに落ちたが、ちょっと神経のどこかがピリピリと信
号を送っていたのかもしれない。

 じぶんも主体的に関わって進めてきた案件に、白紙撤回あるいは一時ストップをと上
長に提案した。宮仕えをはじめてもうすぐ1年。けっして「イエスマン」を演じてきたわけ
じゃないけれど、これまでこういう場面はなかった。

 いちど立ち止まっていろいろなケースを想定しながら、予断を持たずに真剣に検討し
ようという話に落ち着いた。今回のようなざっくりとしたシミュレーションじゃなくて、裏付
けとなるもっと具体的なデータを揃えなくてはいけないし、このあとも道のりは平坦では
ないけれど、とりあえずそこに至れたことにホッとした。でも、あらためて考えるとかなり
よくもわるくもインパクトのある決断となる。
 
 じぶんでは気づかなかったが、それなりに力が入っていたのだろう、夕方になって肋
間神経痛がでた。大したことはないようだけど、左腕があげにくい。思わず苦笑いのわ
たしだ。

■6月11日

 日曜日だけど、タイムリミットもあるので「白紙撤回か否か」を夕方から上長と意見を
すり合わせる予定だった。事前に準備もしておこうと1時過ぎ、早めにうちを出る。でも、
急ぐことはないので、池袋の書店に立ち寄って文庫本を物色。その途中に上長から電
話が入り、本日の予定がキャンセルとなる。

 文庫本を何冊かかってうちに戻る。夕方までに雨があがれば少し走りに行こうかと思
ったけれど、結局それもかなわずじまい。「きょうのところはゆっくり休んでください」との
上長のことばどおり、ほんとうにゆっくり休ませてもらった!で、一日が終わるかと思っ
たら、チームメンバーからの電話でサーバの不調が発生していることを知る。緊急連絡
網に流して、システムの人たちに動いてもらい、日付が変わってしばらくする頃にはな
んとかその不具合は回避できたが、休日とあって気づくまでの時間がかかってしまっ
たので、2時間強不具合が発生していたようだ。影響は少なくないなぁ・・・。どうしてこ
ういう不具合って休日にかぎって発生するんだろうねぇ。

■6月16日

 けさの星占いはおひつじ座を運気最高と励ましてくれた。実力発揮で大成功というこ
とだったけれど、きょうは「嵐の前の静けさ」といったところ。白紙撤回もやむなしとして
きたプロジェクトは、2日間上長とブレストで詰めた中で、もしかしたらスキームの切り方
を入れ換えれば何とかなるかもしれないということになった。

 ここに活路は見いだせるかと提案書の作成に向けてきのうきょうと洗い出しを進めて
いく。しかし、どうもそう簡単にはいかないようでもある。結局、来週予想されるターニン
グポイントに向けてウオーミングアップを入念に重ねたという感じだ。

■6月19日

 本日午後、監査法人さんのヒアリングに臨む。今回は2月に続いて2回目。質問をぶ
つけてくる人の横で、男女2人が黙々とノートPCのキーを叩いている。議事録なのか何
なのか、わたしの語る業務の内容を記録しているようだ。もっとも嘘偽りを重ねている
わけではないから、緊張する必要はないのだけど、なんだか尋問を受けているような
気分にはなる。このところずっと進めてきた業務改善の成果もあり、ヒアリングは大過
なく終了。ホッと一息。

 夕方からはいよいよあすに迫った重要な往訪に向けての準備をはじめる。はたし
て・・・・

■6月20日

 午後、ここ半年くらい一緒に事業の画を描いてきた某社への往訪。スキームの切り
方を変えることで継続をという選択肢のカードを切るまでなく、ここは一旦すべての手を
止めて仕切り直しをということになる。肩の荷が下りたといえばそう言えなくもないが、
ここまで手をかけてきたことが無駄に終わるものも多く、その責任の重さはあたらしくわ
たしにかかってくる。でも、なにはともあれきょうで一区切り。帰りは夕暮れが迫り、蒸
し暑さも和らいできた中を歩いて戻ってくる。

■6月23日

 7月からの新体制をグループメンバーに発表する。一致結束してがんばっていきたい
もの。一区切り着いた事業があるのだが、ホッと気を抜く間もなく、早急に解決しなくて
はいけない案件が複数持ち上がってきた。まぁ、ヒマよりはウンといいけれど。

 そのひとつとして、来月からの計画案などを詰める。今までひとりで考えてきていた
のだけど、今回からは上とかけあってもらう部分を切り出せたので、もともと「副官」的
立ち位置が好きなじぶんにはありがたいところ。(なんて言ってちゃいけないのだろうけ
れど)

 簡単にいえばひとり上司が増えたということ。わたしの職責そのものは変わらないの
だが、新体制の発表を聴いて傍目には降格と考えている人もいるらしい。上に立つの
が入社したての20代氏だからと思うのだけど、わたしとしては仕事がやりやすくなった
と考えているので、べつに「降格」でもなんでも全然気にならないのだけど。

 個人的にはより現場に近づけたのがありがたいと考えたのだけど、現場からすると、
わたしとわたしの上にあたらしく立つことになった事業部長氏との切り分けが明確でな
いようだ。簡単にいえば「あんたは結局何をする人?」ってことか。これはわたしとして
も責任の範囲を明確にしておく必要はあるなと思う。その今夜は経理と棚卸しや数字
のやりとりがつづいた。こうした管理業務はわたしの役割だ。

■6月27日

 ミスをした。その報告が後手に回るというミスを重ねた。

 メンバーのみんなにじぶんの仕事に集中してもらうために、バックヤードの細々した仕
事を引き受けて支えていたのだといえばカッコイイ。でも、そのことでチェック体制がじゅ
うぶんに働いていなかった。ミスをしていては元も子もない。わたしはまだ宮仕え2年目
だからなんて通用はしない。若い社員なら激しく叱責されたというところだ。

 23時の山手線。「きょう」の星占いでは「運気はひきつづき停滞気味。今ある環境を
見直してみよう」だって。朝の出勤時に見ておけばよかった(?)

 ミスをいちはやく埋めあわせて結果を出さなくては。だからといって焦りはないし、落
ちこんでもいない。図太いんだか鈍いんだか・・・。今夜はお好み焼きをつくろうとキャベ
ツを刻む。リズミカルとまではいかないけれど、トントンと手を動かすうちに気持ちがほ
ぐれていく。やけ酒なんていう不健康なことに逃げないじぶんがちょっと誇らしい。

 折しも6月27日は、1年前、正社員としての初出社日だった。

■6月29日

 めざましテレビの星占いでは「発想が豊かで絶好調」と言っていたのだが、現実の仕
事の中ではそんなに画期的なことはなかった。でも、あたらしいプロジェクトが動き出す
ことになり気合いに満ちた一日となった。これから年末に向けて大きな成果を生み出し
ていけるようがんばりたいなと決意新た。地下鉄駅からの帰りの夜道でもあれこれ発
想をめぐらせる。でも星占いがいうようにはいかない。でもいくつか思いついたことはあ
り、部屋に帰ってすぐにメモをとる。

 本日の退社は21時25分。このところ21時台に退社できることが多い。おおきなプロジ
ェクトに一区切りついたこともあるが、今週は、その気のゆるみもあるのか、ちょっと疲
れを感じていることも影響している。きょうはまだ木曜日なのに、気分的は金曜日のよ
うな感じがしてしかたない。きょうこそ早く寝ようと今は思っているのだけど。

■6月30日

 蒸し暑い。でもきょうも一日雨が落ちなかった。夕暮れ色が窓の外にひろがりはじめ
た時間に、同じようにチームをマネジメントしている3人で話し込む。ミーティングというよ
りも世間話のような時間だったが、置かれている立場が同じなだけにこころが落ち着
く。

 中間に置かれる立場って微妙。これが自営業との大きな違い。先の先輩諸氏とわた
しとでは、その軸足の置き方にちょっと違いがあるようだ。そのあたりの間合いと呼吸
は学ばなくちゃ。でも、そのうちのひとりのKさんは来週いっぱいで退社される。社員番
号がひとけたの彼女に何がそう決断させたのか、こころの奥底は知るすべはないが、
危機感に近いものはある。

 そのおふたりからは「23時だとか0時だとかに夕食を食べてちゃダメですよ」というご
忠告をいただく。

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◆生活編

■6月1日

 天気予報が真夏日になるかもと伝えている。朝から青空がまぶしい。6月のはじまり
は気持ちのよいお天気ではじまったが、睡眠時間が短いので木曜日ともなるとさすが
にちょっと眠い。ぼーっとしていたのか、けさは洗濯機を回すぞ!と昨夜考えていたの
にすっかり忘れてしまった。ベランダに干しっぱなしでも安心なお天気だったのに失敗
した・・・。

 駅に向かう途中で、プランターに芽吹いたばかりの朝顔の双葉があるのが見えた。
夏も近いんだなぁって実感。そうそう、本日はことしはじめて半袖での出勤だ。この気
温でもスーツにネクタイのふつうのサラリーマン氏は気の毒だ。有楽町線の氷川台〜
池袋の10分弱でも背中は汗でいっぱいだろうなと同情申し上げる次第。

■6月3日

 この1年間ほとんど外食はせず自炊をしてきた。このところの帰宅時間の遅さからす
れば、駅前の「牛メシ屋」で食事を済ませてきて、帰ったらお風呂に入って寝るだけと
いうことのほうが睡眠時間確保にはいいかもしれない。いくら時間をかけずに簡単にで
きるものを作っているとはいっても、後片づけの時間もかかるわけだしね。

 でも、以前にも書いたが、部屋のドアを開けるとそれまでの頭の重さが消えたりす
る。キッチンに立っている時間がストレス解消や気分転換になっていたりする。帰り道、
冷蔵庫にあるもので何を作ろうかと考えるのが、煮詰まっている状態の解消になったり
もしている。だから、これまで「苦にする」ことなく、逆に「楽しんで」食事を作ってきた。

 その点でいえば、時間のとれる土曜日や日曜日の食事はさらに「楽しめる」ことにな
る。きょうべつの買い物があって出かけたドンキホーテで、そんなじぶんへのご褒美と
して、取っ手の付け替えのできる鍋とフライパンのセットを買った。20cmと22cmの鍋と
26pのフライパンとシール蓋・アルミ蓋のセットだ。ホントはパスタをゆでたりするときの
小さな寸胴鍋もほしかったけれど、こちらは出番が少なそうなのでやめた。これで、さら
に自炊道に磨きがかかるかな?

 ちなみにきょうのメニューは、お昼がカレーパスタにニンジンとブロッコリを添えたもの
と、水菜とタマネギのサラダ。夜が、厚揚げと豚肉とニラを卵でとじたものに、お昼にた
くさん作っておいたサラダをお昼の和風ドレッシングと替えて、ゴマ風味ドレッシングで
いただく。夜にはさっそくおニューの鍋を使ってみる。なんか、ちょっと腕が上がった気
分だったりして。

■6月4日

大きな決断をしなくてはいけない案件があるのだが、週末はとりあえず動かないことが
決まったので、休日出勤を予定していたこの週末の2日間がポッカリ空いた。日曜日の
きょうは午前11時すぎに光が丘公園に向けて走っていく。うちのまわりは練馬でも畑が
多いところ。この日照不足でもとうもろこしはその背丈をずいぶん伸ばしていたし、キャ
ベツもしっかりと玉をつくりはじめていた。

 公園内を2周して13.8km。気温がさほど高くなかったので、気持ちよい「汗」をかいた
とまではいかない。きょうはiPODnanoがお供。きのう借りてきたシングルCDを入れてき
たのだが、その中の1曲がツボにはまる。ぐっとこみ上げるものがあって、走りながらポ
ロポロと涙がこぼれ落ちる。誰にも気づかれなかったとは思うけれど、もし見られていた
ら変な奴に映ったことだろう。

 ツボにはまった曲は、この春のリリース以来ずっと気になっている湘南の風の「純恋
歌」。きのう歌詞カードをじっくり読みながら聴いているときにも、こみ上げるものがあっ
て涙を流したわたしだ。51歳にもなって、結婚生活も銀婚式を越しているのに、いまさ
ら「純恋」でもあるまい。涙もろいわたしだけど、こうした「歌詞」がツボにはまってしまう
というのは、まっすぐ進むこと、まっすぐに立っていることに、どこかに必死になっている
というところがあるのかもしれないな。

 午後は、赴任先が決まって上福岡(ふじみ野市)に居を構えることになった長男の部
屋へフライパンを持って訪ねる。会社が借り上げてくれたアパートは建物そのものは築
後かなり経っているが、部屋はリフォームされていて壁も畳も新しく、独身の男の子に
はまぁまぁじゅうぶんな環境でしょう。何より職場まで歩いて10分というのはうらやまし
い。

 職場ではスーツということらしく、わたしのようなカジュアルな(かなりラフな)格好でと
いうわけにはいかないのは大変だ。古い部屋なので押し入れはあっても作りつけのク
ローゼットはないので、壁の梁にスーツが、窓のカーテンレールにシャツがかけてあっ
た。これはちょっと何か工夫が必要かな。

 さて、なんといっても心配のタネは「食事」。2LDKを共有している先輩氏は、コンビニ
やスーパーでお弁当などを買ってすませているとかで、まったく何も料理はしないらし
い。冷蔵庫とレンジは備え付けになっているものの、炊飯器も包丁、まな板もない。今
回、フライパンと雪平鍋を買ってやったけれど、これだけじゃ何もできないなぁ。平日は
ともかく、週末時間のあるときくらいはちゃんと野菜や魚とかを食べてほしいところだけ
どなぁ。まぁ、こちらはじぶんで考えるだろう。だって、弁当や外食じゃエンゲル係数が
高くなるのは必至だもんね。

■6月7日

 時間に追われる1日。六本木への往訪の帰りにスタバでアイスラテを飲んで帰ってき
たあと、バタバタしているうちお昼を食べ損なった。せっかく時間がないときにも食べら
れるようにとおにぎりを持っていくようにしているのに・・・。

 区切りが着いたところでこのところでは早い22時20分退社。千代田線乃木坂の駅で
6分の待ち時間。ベンチに腰かけて、お昼に食べ損なったおにぎりをほおばる。べつに
恥ずかしくもなかったし、みじめでもなかったし、つらくもなかった。ただ、おなかはそれ
を要求していただけ。

 そうそう、重宝していたいただきものの焼き海苔がなくなった。こんどスーパーに行っ
たら買ってこなくちゃ。

■6月12日

 今夜の社内は週明けのわりに人が少ない。「ルールってよくわからない」という女性メ
ンバーも帰っていった。そう、今夜はワールドカップサッカー、日本の初戦だ。わたしは
22時50分、前半を中村俊輔のゴールで1点リードしているのをネットの速報で見たとこ
ろで退社。

 今夜の電車はガラガラ。乃木坂からの千代田線、原宿からの山手線、池袋からの有
楽町線、全部座れた。23時すぎといえば朝のラッシュよりも込みあうこともよくあるの
に・・・。きょうから読みはじめた宮部みゆきの「ブレイブストーリー」のページが進む。

 氷川台駅を降りたら霧雨。コンビニの角を曲がると静かな住宅街になる。それが住む
のによい環境でお気に入りなのだが、きょうに関しては、そろそろ後半が終わるはずの
この時間、歓声のひとつも聞こえてきそうなものだが、どこの家庭も静まりかえってい
る。「あぁ、これは・・・」。部屋に帰り着いてテレビの電源を入れる。ちょうどオーストラリ
アのヒディンク監督が大写しになったところ。

 ワールドカップを商業主義でとらえているスポンサーやら、マスコミのため息が聞こえ
てきそうだ。

■6月15日

 駅に向かう途中、あちらこちらでガーデニングを楽しんでいる家がある。この時期、美
しさを増してきているのが紫陽花。2階のベランダに届くくらいに大きな紫陽花が植わっ
ているお宅もある。ビワがたわわに実っているお宅もある。けさは赤い小さなキイチゴ
の実を見つけた。つるを巻かない背の低い朝顔が満開のお宅もあった。

 うちにも紫陽花があったけれど、昨年の建て替えの時になくなってしまった。でも、妻
や母がガーデニングを楽しんでいるはずだ。今はどんな花が庭を彩っているのだろう。
氷川台の地下鉄の入り口の横に店を構えるお花屋さん、ちょっと強面のおじさんが切
り盛りをしているそのお店は、切り花ではなく鉢物の専門のようだ。何か一鉢買ってみ
ようかなと思ったりもするが、平日は眠りに帰るだけのような生活ではすぐに枯らしてし
まいそうで二の足を踏んでいる。もっとも、朝はまだお店が開いていないし、帰りはとう
に閉まっているけれど。部屋に花があると癒されるかなぁ?

■6月17日

 あすは父の日。じぶんに向けて希少な某焼酎を買った。それがちょうどけさ届いた。
時々利用している愛媛県のshopから火曜日に届いたメルマガに反応して購入したもの
だ。平日に荷物が着いても受け取れないので、土曜日午前着に指定していたものだけ
ど、じぶんへのプレゼントいうことにしておこう。

 午後は池袋サンシャインシティ文化会館でのサプリメントと機能性食品の展示会に出
かける。何か仕事に通じるネタはないかなと思ってのことだけど、これといった収穫は
なかった。帰りに同じビルに入っているユニクロに寄る。「父の日」用のラッピンググッ
ズを無料で差しあげますとプロモーションしているなかでじぶん向けに半袖シャツなど
を買ってくる。

 長男から「泊まりにいってもいいか」とメールが届いた。OKの返事を送るが、たぶん
父の日に絡めてのことだなと推察する。それにあわせて、フローリングの床に敷くラグ
でも買おうかとドンキホーテに向かう。リビンググッズのコーナーを見て回るうちに、60
秒でセットアップ完了というエアベッド2980円也を発見、広告の品798円也の肌掛け布
団とあわせて購入。これで長男がちょくちょく泊まりに来ても安心だ。(って、やっぱり親
バカだなぁ)

 6時半前に長男が氷川台着。池袋のデパートで長期熟成の焼酎を「父の日のプレゼ
ント」に買ってきてくれた。妻からも配達指定の「20時〜」を過ぎること12分。宅配便の
配達員さんは「われもの」と書いてありますからと手渡ししていく。早速開けてみると、
なんと「のし紙」がかけられたギフト箱に冷やにあう日本酒と本格焼酎が入っていた。
何よりのものではある。でも、今のウイークエンドだけのペースからすると、これは相当
な量になりそう。「じぶん買い」は控えておけばよかったかなぁ。

 雨が本降りになりはじめた中を平和台の駅前まで歩いて長男と焼肉。父の日だし、
泊めてやるのだから奢らせようかと思ったけれど、まぁ、それもかわいそうかなとカード
支払をしておく。もっとも、クーポンがあったので思いのほか安かったのだけど。

 部屋に戻って土曜日の夜の定番「チューボーですよ」や「カウントダウンTV」を見なが
らさらにいろいろ話す。長男が買ってくれた長期熟成の焼酎をロックでいただく。名古
屋にいた頃はこんなにいろいろ話すことってなかったなぁ。彼がこちらに来てからは密
度が濃くなったなぁと思う。さて、エアベッドの寝心地はどうだかな。(でも、当然のよう
にベッドを彼に明け渡すのってどうよ?)

■6月24日

 今夜は「元ちとせ」のコンサートに足を運ぶ。奄美大島出身の独特の感性と卓越した
歌唱力の彼女、わたしも含めてミディアムスローでのびやかに歌い上げる曲が持ち味
だというのが評価だと思う。ただ、当然そんな曲ばかりであろうはずはないけれど、同
じような曲ばかりで飽きてしまったり、子守歌のような心地よさに眠くなってしまうという
ような心配も少しあった。

 今、某プラズマテレビのCMで流れていたり、映画の主題歌になっている新曲「青の
レクイエム」をアコースティックピアノだけの伴奏で歌い上げたあと、MCをはさんで「じゃ
あ、みんなで散歩でもしませんか?」という呼びかけからポップなアップテンポナンバー
が4曲続く。(山崎まさよしがサプライズゲストとしてステージを散歩していった)あっとい
う間に満員の客席はスタンディングとなり手拍子が大きくわき起こる。中にはプリンセ
スプリンセス(例えが古いなぁ)とか木村カエラのようなガールズポップの典型のような
曲もあった。もっとも独特の歌唱法(節回し)は変わらないが。

 2時間弱のコンサートの感想は、唄ってやっぱりすごいなってこと。一瞬でキラーパス
のように聴く者の琴線に響かせることができる。じつは、いろいろ雑念があって正直前
半は「元ワールド」に浸り切れていなかったのだが、ほんのひとつのフレーズだけでも
それを変えられるのだ。最後、観客席に向かってお義理ではなくほんとうにありがとう
という思いが伝わる「拍手」をしてステージから去っていく歌手はこれまでほとんど見た
ことがない。彼女の唄に寄せる思いがそこにも見てとれた。

 21時少し前、ホールを出る人波が、すぐ近くの中野駅に着く頃にはふつうの街の風
景に溶け込んでいく。帰りの電車に乗り込む頃には目の前にひろがっていたはずの
「元ワールド」がいつものJRの電車の車内風景になる。当然のことではあるけれど、淋
しくもありもったいなくもある。こんどレンタルであたらしいアルバムを借りてこようと思い
ながらすっかり雲が多くなった夜道を歩いてきた。

■6月25日

 昨年の6月25日、梅雨の晴れ間で燦々と陽差しが注ぐ土曜日に東京へ生活の拠点
を移した。真夏を思わせる暑さで荷物を運び込む業者さんはおしなべて汗だくで気の
毒だったが、雨じゃなくてよかったと思ったことを覚えている。冷蔵庫がまだ届いていな
かったので駅前まで歩いてマクドナルドに行ったこともまだ鮮明な記憶だ。そういえば
氷川台のマクドにはあの日以来入ったことがない。

 この1年、早かったといえば早かった。長かったといえば長かったともいえる。51年の
人生の中で濃密さでいえばまちがいなく1,2をあらそうはずだ。この1年でアップグレー
ドしたこともある。残念ながらダウングレードしたこともある。かわらなかったこともある。
どちらが多かったのか気になるところでもある。

■アップグレードしたこと
・料理の腕が上がった
・家事能力が上がった
・休肝日が増えた
・短い睡眠時間にも体調をくずさなかった
・風邪をひかなかった

■ダウングレードしたこと
・走力
・視力
・甘いものを食べるようになった

 そして・・・プロジェクトマネジメントの能力が足りないこと、これまでの人生の中で培っ
てきたものが思っていたほどには通用しないことがわかったのもダウングレードか。

■かわらなかったこと
・気持ちの切り換えの速さ
・がまんづよさ
・落ちこまない性格

 外から見ていた仕事と中に入ってみてわかった仕事との間には、当然のことながら
違いがあるものだ。はじめからわかっていたことだけど年齢の差も大きい。だから、うま
くいかないことも多々あった。ただ、天性の立ち直りの速さというか落ちこまないわたし
なのでここまで破綻なくやってこられた。

 そして、東京366日目を迎えた今、この街でまだがんばっていけるとおもっているじぶ
んがいる。

■6月28日

 本日の退社は21時40分。氷川台では駅前のスーパーに寄ってくる。ダイコン・バナナ
などちょっと重いものの他、特売に出ていた12ロールのトイレットペーパーを買って帰っ
てくる。東京に引っ越してきた日の日記にドラッグストアでトイレットペーパーを買ったこ
とが書いてある。1年くらいありそうだとコメントしているが、ほんとうにちょうど1年あっ
た。1年で12ロール使い切って、ちょうど今は新聞販売店からもらったロールを使ってい
る。きょう買ったのも12ロール、また1年分なのかな。
 



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